気づいたら、飛んでいたい

聞きなれない列車の来る合図。

見慣れない街。

気兼ねのない友人と、苦楽を共にした人達の

作品。

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人生は、儚い。

三次が斬られて、もう余力を残していない

あの時

お志乃さんは抱き寄せた。

その後の

"私を斬っておくれよ"

の言葉は、胸が苦しかった。

愛する人を失い、遺された自分も苦しい思いをして生きていかなければならないこと、そのつらさに耐えられるのか。そのような死に方をするのなら、今ここで三次と共に逝くしかなかったのだ。

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遺される妻のことをちゃんと考えているのかと

言った親分と、黙り込んだ竹蔵に私も黙り込んだ。

人を遺して死んでゆく三次の辛さも、

遺されたお志乃さんの辛さも汲んだ親分の言葉だ。

これは、ナムさんが話していた

"待つ人と待たせる人"

の話と同じだと思った。(脱線)

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お志乃さんと三次は帰らぬ人となったけれど

"二の舞にならないようにね"

と言った親分と

その言葉を受け取ったお梅さん

2人を含め、4人がやりたいことをできてよかったと思った。

特に、親分はみんなに

"やたいことはなんだい？"と尋ね、各々が

やりたいことを語る中、ただ1人だけなにかを残して

"みんなやりたいことがあるんじゃないかい。

やりなよ。"

と嬉しそうに言った。

だけど運命の歯車が回り、こちらが驚くようなタイミングで旦那さんがこんなにも近くにいたことに気づいた。しかも、絶体絶命というそんな時に夫婦ならではの阿吽の呼吸で乗り越えたのだ。

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気づいていないだけで、本当に大切なひとや

ものはすぐ側にあるのかもしれない。

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お梅さんは、私と似ていると思った。

家を出て、メリケンに行くのを夢見ていた。

しかし、行く手に阻まれた。

何度阻まれたかはわからない。私が見たよりももっとだったのかもしれない。

それでも、お梅さんは竹蔵と共に夢を叶えた。

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私は環境のせいにして

今もなお、見えない殻に閉じこもったままなのだと思い知らされた。

私にはお梅さんのような勇気があるのだろうか。

竹蔵のような誰かが

私の手をとって、ここから出してくれたらなあ

と叶わないことを思いながら。

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エンドロールで各々のそれからを知ることが出来た。

それぞれみんな、やりたいことをしたようだった。

それでいいのだと思った。

良い人生だと思う。

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人生や一生ってなんなのだろう？と考える。

そんな中、知ったことがある。

地獄にはいろいろ種類があるらしく、

嘘をついたり

動物を殺したり

酒を飲んだりするだけでも地獄へ落とされるようで、

(地獄にも階級があるみたいだが)

私はもう確実に地獄行きだなと思っていた。

でも、やりたいことをして地獄に行くのと

やりたいこともせず地獄に行くのだったら…

どちらを選んでも地獄に行くのなら

やりたいことをやった方がいいのでは？

と真面目に考えた。

人生は複雑で不思議だ。

これも何かの巡り合わせで、こんなにも私に

やりたいことをやれ

と言いたかったのかと思うなどする。

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カーテンコールでみんなが手を振っている時

なぜだか、泣きそうになったよ

ありがとう。素敵な経験を！

そして、おつかれさまでした。

いろんなことがあったと思うけれど、

私にとってこれが良い経験となったように、

あなたにとっても大切な財産となりますように…！

これからも、あなたも

やりたいことをやってね。

飛べない じゃなくて

飛べないことを知らないまま、

気づいたら飛んでいたらいいなと願いながら

私もそのようにするよ

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おわり